ナラベルWebサービス2.0 ブログ

ナラベル Webサービスに関する情報発信

野球の奥底

ヤクルトの前監督,野村克也氏が永眠された。ご冥福をお祈りいたします。

野村監督といえば,オリックスとの日本シリーズイチローの封じ込めが記憶に残っている。まだ何も知らない少年だった私は,策でイチローを縛り付けているように見えた野村野球を嫌っていた。ピッチャーは渾身の直球を投げ,バッターは力の限り,スイングをする。それこそが戦いだと思っていた。変化球やバントや内野安打は戦いの本質から外れたおまけ程度の認識だった。

 しかし,今は違う。いや,いまでも力の勝負を信じている。しかしフィールドにはそれ以外の勝負もあることを野村監督が教えてくれた。それは卑怯でもおまけでもない,本当の戦いの一つ。世界が多様であることを見せてくれた。そして,野村監督の教えを受けた多くの選手が指導者になっていく。年を経たいま,羨ましくてしかたがない。野村監督がいた野球界に。やっぱり,野球は楽しい。だから野村監督が生まれた。シューレスジョージャクソンが,あっちの世界で待っている。とうもろこし畑の奥で,きっと。

 

naraberu.info

Amazonリコメンドと図書館レファレンス

 閲覧・購買履歴を使ったAmazonリコメンドは,プログラマから見れば凄いの一言で,書籍だけにとどまらず,何を探すにしても,誰もがあって当然と思う機能となった。ビッグデータが私達に見せる未来の世界,その最初の一歩が,Amazonリコメンドであるとも言える。理屈としては理解できる仕組みだが,それを実装し,かつビジネスとして成立させられる,それはインターネットによる情報流通革命が私達の生活をコントロールし始めたことに他ならないのだろうが,そういった環境の中では,図書館と司書の役割に疑問符がつけられるのはある意味,当然の流れかもしれない。

 ”司書は将来的にAIが担う仕事になる”

 この発言への反応はさまざまだ。発言者の図書館への理解のなさを嘆く人,将来的にはそうなると共感を示す人,図書館すら不要であると考える人。さまざまな考えがある中でも,”人が本を読むことの意味と効果を否定する人はほとんどいない”ことにフォーカスすることが大事ではないだろうか。Amazonリコメンドか図書館レファレンスか,それは手段の問題であり,手段はいつでも効率と効果を求めて進化する。大事なのは,人々が何を求めているかであり,それは本を読むことで得られる素晴らしい何かであることに疑いの余地はない。手に入れたいもののために手段は存在し,進化しない手段が淘汰されるのは,すべての事柄において不可避である。Amazonリコメンドと図書館レファレンスの役割が,本と人との素晴らしい出会いをサポートするこであるならば,図書館と司書は,自分たちができることをより多くの人達に示し,その存在を賭けて,図書館が優れた手段であること世界に認めてもらう必要がある。

 Amazonの強みは利用に必要となるコストの低さである。一方,図書館レファレンスの利用コストは非常に高い。利用者は図書館の開館時間に訪問し,司書に自分の欲しいものを的確に伝え,トライ&エラーを繰り返しながら,欲しいもの探すことになる。図書館は利用者の要望に応えるために,優秀な図書館司書を育てなければならないが,優秀な司書の育成は一筋縄ではいかず,長い年月とコスト,素養と情熱を備えた人材が欠かせない。さらに図書館は明示的な金銭的利益を生み出さないことから,機能維持に関わるコスト負担が常に存続の危機をもたらすこととなる。現状,コスト的にはまったく勝負になっていないこの2つの機能を切り分けるのは,期待を込めて,情報の質,いわゆる利用者の満足度であると言いたい。

 しかし,情報(本)を探しているごく平均的な人は,その事実に関心があるとは言えない。もしくは,Amazonリコメンドと図書館レファレンスが比較対象であることにすら気づいていない。それ故に,この2つの間には比較も切磋琢磨もなく,ただ,コスト競争に負けて続ける図書館と司書だけが正しく評価されない不利益を受け続け,縮退を余儀なくされているのが現状であろう。多数派との比較対象としてすら認識されないのであるならば,図書館と司書が求める図書館への共感は,どこから生まれてくると言うのであろうか?

 しかし,Amazonリコメンドがどれほど主流となっても,完璧でも完全でもありはしない。

  ”Amazonリコメンドが見せるあなたは,似てはいてもあなたではない”

そうであるならば,図書館と司書にも,やれること,やるべきことは残されているはずだ。

 直近10年における革新的な変化の一つは,多くのアクションが検索から始まるようになったことだ。疑問や関心事,ちょっとした好奇心。それらを満たすために,まずは検索窓に思いついた単語やフレーズを入力して,マシーンが返す検索結果を眺める。そこには,Amazonの広告エントリーがあり,その他のキャッチーなタイトルがついたエントリーがずらっと並ぶ。しかし,図書館発のエントリーを見つけることは簡単にはできない。なぜならば,図書館はインターネットの住人ではないから。正しく評価してもらう,正しく勝負する,それを望むのであれば,同じフィールドに立たなければならない。Amazonと多くの人たちがインターネットの住人で,そこが戦場であるならば,図書館と司書も同じフィールドに立ち,人々に訴えるべきだ。図書館の持つ機能は,Amazonとは似て非なるものであり,求める情報にたどり着く方法は一つではない,と。それなしに,図書館の役割を訴えても,多くの人々の共感を呼ぶことはできない。地域の人々にわかって貰えればそれで十分だと思うことは容易いが,しかしそれは,個別最適でしかない。全体最適を目指さなければ,Amazonリコメンドと相互依存の関係にはなれず,図書館と司書の役割の認知にもつながらない。であるならば,検索結果の中に,どこかの図書館が作成した情報が必ずある,厳しいことではあっても,そこを目指して欲しいと,1ユーザーとしては願ってやまない。

 情報の質で勝負,それは図書館と司書がその専門性をより高度化する戦いにほかならない。これは図書館が成立して以降,絶え間なく続きてきたことであるはず。インターネットによる情報流通革命が起きた現代でも,形を変えながら図書館は戦い続けなければならない。一時的に不利に見えたとしても,必ず立て直せると信じられること,それこそが,有史以来守り続けてきた図書館の力であるはず。

 

 すべての図書館と司書に向けてのエールとして,この文章を書き残します。

 

 

2019年図書館総合展について

 2019年図書館総合展でポスター展示を行いました。お立ち寄りいただいたみなさま、ありがとうございます。リリースした当初は、本当にニーズがあるのか、関心を持っていただけるのか疑心暗鬼ではありましたが、多くの方々にフィードバックをいただけたことで、地道に活動を続けていく力をいただきました。本当にありがとうございます。

 今回のポスター展示を契機に、多くの方々にナラベルを知っていただければと思いますが、Webサービスとしてご活用いただくためには、より一層のシステム改善や広報が必要だと感じております。引き続き、支援をいただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

 

drive.google.com

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図書館総合展ポスター展示への参加

 2019年図書館総合展のポスター展示に参加します。11月12日~14日までの3日間ですが,12日の午後からポスター付近で待機し,ナラ🔔ベルWebサービスの説明を行う予定です。お近くにお越しの際は,ぜひお立ち寄りください。ポスター展示場所は,No.8になります。

 

www.libraryfair.jp

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多くのご来場の方々にお会いできることを楽しみにしております。

ページ送り機能実装

 ページ送り機能を実装しました。これは,1ページ目,2ページ目,3ページ目というようにページを送っていく機能です。いままではレコードも多くなかったので,1ページにすべてのテーマを並べていましたが,これからより多くの方々に使っていただいてテーマを増やしていきたいので,このタイミングで実装しています。詳しくは,https://naraberu.infoでご確認ください。

 また,登録されているテーマの総件数を表示するように機能追加しました。PC版だと左サイドバーのユーザー一覧の上に表示されます。モバイルであれば,ページの最下層に表示されます。これはページ送り機能の実装に伴う変更でもあります。

 今回の機能追加は,以上の2点になります。

障害報告 20190720

【バグ解消】

201907/22 下記バグの改修が完了しました。

 

現在,以下のバグがあることが確認できています。

【データダウンロード】

ダウンロードボタンをクリックしても,画面に変化がなく,情報がダウンロードできない。

 

現在,改修作業中です。しばらくおまちください。

 

 

NDL連携機能リリース

ナラ🔔ベルで,書籍を登録する場合の書誌ユーティリティにNDLを追加しました。これまでは,楽天Books&openBDだけでしたが,新たにNDLタブが追加されて,NDLを直接検索して,書籍を登録できるようになりました。

 一括登録では,自動でNDL検索も行うようになり,書誌ユーティリティの優先順位としては,openBD⇒楽天Books⇒NDLとなりました。ただし,どの書誌ユーティリティについてもISBNが必須となります。キーワード検索でヒットしても,ISBNがない場合には,ナラ🔔ベルへデータを流用して登録することはできません。その場合は,新規登録から書誌データを手入力して登録してください。

 NDL連携機能により,ISBNがあれば,書誌情報については,ほぼ手入力なしで登録できるようになります。紙で書籍リストを作る場合でも,ナラ🔔ベルを経由することによって,書誌データの入力作業がなくなるなどのメリットがあります。上手にナラ🔔ベルを活用して,いろいろなリストを作って公開してみてください